ボールミルの力で、有機溶媒をほぼ使わない合成を目指す

ボールミルなどで原料に機械的な力を加え、有機溶媒をほとんど使わずに有機合成を行うメカノケミカル技術。

株式会社メカノクロス 北海道大学発 / 北海道 札幌市
研究発の技術 メカノケミストリー 有機合成 ボールミル グリーンケミストリー 反応装置 プロセス開発
実用化の段階
研究実証販売
顧客企業との反応開発PoCや装置開発、量産プロセス実証が進む一方、会社は商用反応装置の開発と量産体制構築を今後の課題としている。
4製品
3提携・顧客
11特許
9出資者

しくみ

解こうとしている課題

従来の有機合成で大量に使われる有機溶媒や、難溶性原料の扱い、反応時間・製造コストなどの課題を解決することを目指す。

どう動くか

原料を反応容器に入れ、ボールミルなどで攪拌・粉砕して機械的な力を加えることで反応を進める。溶媒を減らせるほか、溶けにくい原料を反応に使える場合がある。会社は、従来24時間かかる鈴木・宮浦クロスカップリング反応が5分で進んだ例を紹介しているが、個別反応での結果であり、すべての反応に当てはまるとは限らない。

できるようになること

会社は、有機溶媒の削減によるCO₂排出や環境負荷の低減、反応時間・コストの削減、難溶性物質を用いた新材料開発を目指すとしている。量産プロセスの実証と装置開発を進めている段階で、産業全体への効果はまだ実証途上である。

技術の出自:北海道大学大学院工学研究院・有機元素化学分野、化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)。JST START採択課題「メカノケミカル有機合成の実用化」。 出典1 出典2 出典3

使われる場面

  • 医薬品原料・中間体の合成
  • スペシャリティケミカルの製造
  • 電子材料・有機EL材料・有機半導体材料の開発
  • 電池材料の研究開発
  • 難溶性・不溶性化合物の反応・官能基化
  • 機能性化合物・新材料の開発

優位性の主張

会社の主張
会社説明では、複数の反応で有機溶媒使用量を従来の約15分の1以下にできるとしている。 出典
会社の主張
会社説明では、鈴木・宮浦クロスカップリング反応が従来24時間から5分に短縮した例を示している。 出典
大学の発表
北海道大学のJST START採択課題は、メカノケミカル有機合成について低コスト、安全性、環境影響の小ささなどの利点を挙げ、比較的大きなスケールで高速・低コスト生産して実用性を実証することを課題としている。 出典
第三者の評価
京都府の紹介では、ラボスケールの成果を基盤に、量産化に向けたプロセス実証や新規機能性化合物の開発へ進んでいると説明している。 出典

製品・サービス

試験導入
メカノケミカル有機合成の反応・プロセス開発

顧客の反応について実現可能性を調べ、条件最適化や新規反応開発を行う技術提供・共同研究。 出典

化学、医薬品、電子材料などの研究開発・製造企業
試験導入
メカノケミカル反応装置

メカノケミカル有機合成向け反応装置を開発中。日揮とパイロット・商用装置の開発を進めている。 出典

化学品メーカー、受託合成企業など
販売中
メカノケミカル有機合成実装研究会

企業向けに基礎知識、研究成果や最新情報を提供し、技術導入や協業を検討する会。 出典

メカノケミカル有機合成の導入を検討する企業
実証
メカノケミカル有機合成を用いた受託合成プロセス

ナード研究所と、ラボからパイロット・商用スケールまでの受託合成体制構築を検討。 出典

自社に量産設備を持たない化学・医薬品・電子材料企業など

これまでの歩み 新しい順

2026-02
受賞
京都府/ZET-summit「ZETアワード グランプリ」 出典
2025-12
融資
商工中金の融資枠開設。2億円。株式会社商工組合中央金庫 出典
2025-09
資金調達
Pre Series A。金額は非公表。インキュベイトファンド株式会社、QBキャピタル合同会社、株式会社北洋銀行、XTech Ventures株式会社、Spiral Innovation Partners株式会社(ゆうちょ Spiral Regional Innovation Fund)、Angel Bridge株式会社 出典
2025-08
共同開発
株式会社ナード研究所:技術導入と受託合成プロセスの構築を検討。2026年にMOU締結との公表あり。 出典
2025-06
助成
経済産業省北海道経済産業局「Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)採択」 出典
2025-05
受賞
SusHi Tech Tokyo「SusHi Tech Challenge 2025 Corporate Partner Prize」
2024-12
共同開発
日揮株式会社:メカノケミカル有機合成向けパイロット・商用反応装置の開発で協業。 出典
2024-11
海外プログラム
米国:JETROのJ-StarX海外渡航フェーズに採択され、2024年11月にシリコンバレーで市場検証や顧客インタビューを行うプログラムに参加。 出典
2024-09
助成
公益財団法人三菱UFJ技術育成財団「研究開発助成金「メカノケミカル有機合成反応に用いる有機合成用反応デバイスの設計・開発」」
2024-07
資金調達
シード。2億円。インキュベイトファンド株式会社、北洋SDGs推進2号ファンド(株式会社北洋銀行)、QB第二号投資事業有限責任組合(QBキャピタル合同会社、株式会社NCBベンチャーキャピタル運営) 出典

提携先・顧客

共同開発
日揮株式会社 メカノケミカル有機合成向けパイロット・商用反応装置の開発で協業。 出典
共同開発
株式会社ナード研究所 技術導入と受託合成プロセスの構築を検討。2026年にMOU締結との公表あり。 出典
共同開発
国立大学法人北海道大学 大学の特許技術をライセンスし、反応開発で連携。 出典

特許

11 件 出典
公式サイトの知財掲載一覧とGoogle Patentsの会社名検索で確認できた特許・公開公報を重複整理した範囲の件数。網羅的な権利調査ではない。
主な分野メカノケミカル反応方法・反応装置、有機合成・クロスカップリング、還元・フッ素化、高分子メカノラジカル反応、圧電材料を用いたメカノレドックス
海外出願True
特許第7825889号/特願2024-147352「メカノケミカル反応方法及び反応機器」 株式会社メカノクロス / 登録(2026-03-09) 出典
WO2026048412A1「Mechanochemical reaction method and reaction apparatus」 株式会社メカノクロス / 国際公開 出典
特願2024-030248「含フッ素化合物の製造方法」 株式会社メカノクロス / 出願公開 出典
特願2023-062433「還元方法」 国立大学法人北海道大学 / 出願 出典
残りの7件を表示
特願2022-211011「高分子メカノラジカル開始剤及び高分子メカノラジカル開始剤を用いる反応方法」 国立大学法人北海道大学 / 出願 出典
特願2022-194076「ホモカップリング反応方法」 国立大学法人北海道大学 / 出願 出典
WO2023167321「メカノケミカル反応用添加剤、メカノケミカル方法、配位子化合物及び錯体」 国立大学法人北海道大学 / 国際公開 出典
特許第7404606号「有機金属求核剤の製造方法、及び有機金属求核剤を用いる反応方法」 国立大学法人北海道大学 / 登録 出典
WO2021177290「脱離基を有するモノクロスカップリング芳香族化合物の製造方法」 国立大学法人北海道大学 / 国際公開 出典
WO2021045207「圧電材料を利用するメカノレドックス反応及びその反応を用いる製造方法」 国立大学法人北海道大学 / 国際公開 出典
特許第7023019号「溶媒を使用しないクロスカップリング反応及びその反応を用いる製造方法」 国立大学法人北海道大学 / 登録 出典

会社の規模

従業員18名(2026-04-26時点) 出典(Gビズインフォ)
資本金2,000万円(2025-12時点) 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトmechanocross.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2024-10-31—-5,206万円—2.13億円 出典(Gビズインフォ)

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

大学の認定
北海道大学 北海道大学の認定スタートアップ企業一覧に掲載。 出典
ライセンス
北海道大学 北海道大学が取得したメカノケミカル有機合成関連特許のライセンスを受け、商用運用していると会社公式ページに記載。 出典

出資者(公開情報で確認できた9社)

事業会社(CVCを含む) 1独立系VC 4銀行・金融機関系 3大学系(大学VC・大学) 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:19件
法人番号:8430001090394
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