高分子ミセルで核酸を運び、細胞内で働かせる医薬を目指す

高分子ミセル型の薬物送達技術を基盤に、mRNAや核酸医薬の創薬・知財化を進める。2026年4月に創薬事業は新設のNANO MRNA株式会社へ移管された。

NANOホールディングス株式会社 千葉県 柏市 / 1996年設立
研究発の技術 高分子ミセル ポリイオンコンプレックス ドラッグデリバリーシステム mRNA医薬 核酸医薬 アンチセンス核酸
上場 法人番号5040001067344の法人は2026年4月1日にNANOホールディングスへ商号変更し、上場を維持した一方、創薬事業は新設のNANO MRNA株式会社へ承継されました。
実用化の段階
研究実証販売
コムレクス®耳科用液1.5%は共同開発先から販売中で、TUG1 ASOとRUNX1 mRNAも第Ⅰ相臨床試験段階にある。
4製品
6提携・顧客
3特許
5出資者

しくみ

解こうとしている課題

mRNAや核酸は体内で分解されやすく、標的組織・細胞へ届けにくい。再発膠芽腫など治療選択肢の限られる疾患や、軟骨再生を目指す医薬品の実用化に向け、送達技術と候補薬の開発に取り組む。

どう動くか

親水性とカチオン性を持つ高分子を核酸と結合させ、ナノサイズの複合体(ミセル)にして細胞・組織へ運ぶ。mRNAは細胞内でタンパク質を作る設計図として働く。旧ナノキャリアのミセル技術を応用した核酸医薬の開発に加え、現在は候補薬の知財を作り、製薬企業へのライセンスを目指す事業モデルを掲げる。

できるようになること

同社は、核酸医薬の候補と知財を創出して製薬企業へ導出することで、難治性疾患や組織再生向けの医薬品開発につなげる方針を示す。TUG1 ASOは再発膠芽腫で臨床試験段階にあり、RUNX1 mRNAは変形性膝関節症を対象に臨床開発中。

技術の出自:東京大学大学院工学系研究科の高分子・材料系研究、東京女子医科大学の医工学系研究、ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)の連携研究。TUG1 ASOは名古屋大学大学院医学系研究科の腫瘍生物学・脳神経外科学分野との研究を含む。 出典1 出典2 出典3 出典4 出典5

使われる場面

  • 核酸医薬の薬物送達
  • 再発膠芽腫の治療
  • 変形性膝関節症・軟骨再生
  • mRNA医薬・ワクチンの創薬支援
  • 抗がん剤開発
  • 化粧品原料

優位性の主張

会社の主張
mRNA治療薬の開発実績を持つ国内企業として、創薬から知財化・導出までのプラットフォームを構築し、多様なDDSを選択できると説明している(会社の主張)。 出典
第三者の評価
TUG1 ASOとYBCポリマーを組み合わせた製剤は、再発膠芽腫を対象にした第Ⅰ相試験で最大耐用量0.6 mg/kgが示された。報告された試験条件では第Ⅰ相試験は継続中で、データカットオフは2025-12-24(学会抄録)。 出典
会社の主張
RUNX1 mRNAを高分子ポリイオン複合体ミセルで体内へ届け、関節症の治療に用いる技術を特許化している。 出典

製品・サービス

研究段階
TUG1 ASO(antiTUG1製剤)

TUG1を標的とするアンチセンス核酸をYBCポリマーDDSで届ける、再発膠芽腫向け開発品。 出典

再発膠芽腫患者向け。現時点では医療機関での治験段階。
研究段階
RUNX1 mRNA

RUNX1 mRNAをポリイオン複合体型ミセルで送達する変形性膝関節症向け開発品。 出典

変形性膝関節症患者向け。PrimRNAが豪州で第Ⅰ相試験を実施。
販売中
コムレクス®耳科用液1.5%(ENT103)

中耳炎・外耳炎向けの抗菌耳科用液。セオリアファーマが製造販売し、武田薬品工業が販売。 出典

中耳炎・外耳炎の患者、医療機関。
販売中
ミセル化ナノ粒子を用いた化粧品原料

ミセルに美容成分を内包した化粧品原料。アルビオンの美容液などに採用された。 出典

化粧品メーカー。

これまでの歩み 新しい順

2026-07
規制・認証
TUG1 ASO(再発膠芽腫)(第Ⅰ相医師主導治験を経て、第Ⅰb相試験がjRCTに登録され募集中。医薬品としての製造販売承認は未取得。) 出典
2026-03
海外拠点
オーストラリア:NANO MRNA傘下のPrimRNA AU Pty. Ltd.があり、RUNX1 mRNAの第I相試験を豪州で実施。 出典
2026-02
規制・認証
RUNX1 mRNA(変形性膝関節症)(豪州で第Ⅰ相試験を実施中。製造販売承認は未取得。) 出典
2025-11
海外出展
オーストラリア:子会社PrimRNAがAusBiotech International Conference 2025に参加し、RUNX1 mRNAの臨床試験関係者や企業と面談。 出典
2025-10
海外出展
シンガポール:RNA Leaders APAC 2025に参加し、RNA創薬と臨床開発について発表。 出典
2025-10
資金調達
第22回新株予約権の第三者割当。64億円。株式会社SBI証券 出典
2025-10
融資
第1回無担保社債(適格機関投資家限定)。25億円 出典
2025-02
提携
株式会社PrimRNA:子会社としてRUNX1 mRNAの開発を担当し、豪州で第Ⅰ相試験を実施。 出典
残りの8件を表示
2024-02
助成
日本医療研究開発機構(AMED)「革新的がん医療実用化研究事業「新規核酸治療薬を用いた膠芽腫に対する臨床試験に関する研究」」 出典
2024-02
共同開発
名古屋大学:TUG1 ASOを共同開発。名古屋大学主導の再発膠芽腫第Ⅰ相・第Ⅰb相治験に関与。 出典
2023-06
資金調達
第21回新株予約権の第三者割当。10.14億円。株式会社IPガイア、アクセリード株式会社 出典
2023-06
販売提携
武田薬品工業株式会社:コムレクス®耳科用液1.5%の販売元。 出典
2023-03
規制・認証
コムレクス®耳科用液1.5%(ENT103)(2023年3月に国内製造販売承認を取得し、同年6月に販売開始。) 出典
2023-02
資金調達
第6回無担保転換社債型新株予約権付社債・第20回新株予約権。15.81億円。株式会社ウィズ・パートナーズ(THEケンコウFUTURE投資事業有限責任組合) 出典
2018-06
共同開発
セオリアファーマ株式会社:ENT103を共同開発し、承認取得後は同社が製造販売。 出典
2012-07
共同開発
株式会社アルビオン:ミセル化ナノ粒子原料を使った美容液を共同開発し、アルビオンが販売。 出典

提携先・顧客

共同開発
名古屋大学 TUG1 ASOを共同開発。名古屋大学主導の再発膠芽腫第Ⅰ相・第Ⅰb相治験に関与。 出典
共同開発
東京科学大学 RUNX1 mRNAを用いた変形性膝関節症向け開発の研究パートナー。 出典
提携
株式会社PrimRNA 子会社としてRUNX1 mRNAの開発を担当し、豪州で第Ⅰ相試験を実施。 出典
共同開発
セオリアファーマ株式会社 ENT103を共同開発し、承認取得後は同社が製造販売。 出典
販売提携
武田薬品工業株式会社 コムレクス®耳科用液1.5%の販売元。 出典
共同開発
株式会社アルビオン ミセル化ナノ粒子原料を使った美容液を共同開発し、アルビオンが販売。 出典

特許

3 件 出典
Google Patentsで旧社名・現社名を検索し、関連性の高い代表的な3ファミリーを確認・記録。全件調査ではなく網羅件数ではない。
主な分野高分子ミセル型医薬組成物、mRNA・核酸のポリイオン複合体送達、関節症向けRUNX1 mRNA送達、TUG1標的核酸の抗腫瘍DDS
海外出願True
WO2014185504A1 — Polymeric micelle pharmaceutical composition NanoCarrier Co Ltd(現NANO MRNA系) / PCT公開。Google Patents上のWO出願はCeased表示。各国移行出願の状態は国ごとに異なる。 出典
EP3106177B1 — Polyion complex comprising mRNA for therapy(同族:US10232054B2等) Accurna Inc(合併後にNanoCarrier/NANO MRNAへ移転した記録あり) / EP登録・Active表示。米国同族特許も登録。 出典
EP3329925B1 — Polyion complex capable of delivering mRNA into living body for treating arthropathy NanoCarrier Co Ltd(現NANO MRNA系) / 欧州登録。国ごとに失効・年金納付状況が異なる。 出典
US11066665B2 — Antitumor drug delivery formulation(TUG1標的核酸のミセルDDS) Public University Corporation Nagoya City University / 登録。会社はTUG1関連特許の独占ライセンスを公表。 出典

会社の規模

従業員23名(2026-03-31時点) 出典
資本金9.79億円(2026-03-31時点) 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトnano-hd.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2026-03-311.74億円-9.44億円35.66億円59.06億円 出典
2025-03-311.09億円-8.35億円27.4億円39.97億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
東京大学 東京大学TLOを通じ、シスプラチン内包高分子ミセル等に関する特許の実施許諾契約を締結。 出典
ライセンス
東京大学 東京大学および東京大学TLOと、抗腫瘍剤関連特許の実施許諾契約を締結。 出典
大学の施設
東京大学 東大柏ベンチャープラザに本社・研究所を置いていた。会社発表では同施設に約10年間入居したとしている。 出典
共同研究
名古屋大学 再発膠芽腫を対象とする核酸医薬TUG1 ASOを共同開発し、第I相医師主導治験の結果を発表。 出典
共同研究
東京科学大学 臨床開発パイプラインのRUNX1 mRNAについて、共同研究パートナーとして掲載。 出典

出資者(公開情報で確認できた5社)

アクセリード株式会社NANOホールディングス株式会社株式会社ウィズ・パートナーズ株式会社SBI証券株式会社IPガイア
事業会社(CVCを含む) 2独立系VC 1銀行・金融機関系 1その他・不明 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:29件
法人番号:5040001067344
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