人工染色体にヒトの抗体遺伝子を載せ、ヒト抗体を作る動物を作製する

鳥取大学発の染色体工学を基盤に、人工染色体ベクターを細胞や動物に導入し、完全ヒト抗体産生動物や創薬研究用モデルを作製する技術。

株式会社Trans Chromosomics 鳥取大学発 / 鳥取県 米子市 / 2014年設立
研究発の技術 染色体工学 人工染色体ベクター 完全ヒト抗体 トランスクロモソミック動物 創薬支援 薬物動態モデル
実用化の段階
研究実証販売
会社はTC-mAbマウスを用いた抗体開発受託サービスが2024年6月から医学生物学研究所で利用可能になったと公表し、関連製品・受託研究も案内している。
6製品
4提携・顧客
5特許
3出資者

しくみ

解こうとしている課題

大きな遺伝子領域を従来の遺伝子導入法で動物に導入する難しさや、創薬研究で問題となる動物とヒトの薬物応答の種差、難しい標的に対する抗体取得の課題に取り組む。

どう動くか

天然のヒトまたはマウス染色体をもとに、染色体として必要な機能・構造を保ったベクターを作り、目的の大きな遺伝子領域を搭載する。ベクターは宿主の染色体に挿入されず独立して維持され、動物では次世代に伝わる場合がある。TC-mAbではヒト抗体遺伝子を導入し、動物自身の抗体遺伝子を働かなくすることで、通常のハイブリドーマ法などを用いた完全ヒト抗体の取得を目指す。

できるようになること

完全ヒト抗体やヒト型薬物動態モデルを創薬研究に提供し、抗体候補の取得や薬物評価に活用することを目指す。鳥取大学は、TC-mAbマウスなどを組み合わせた研究プラットフォームで、SARS-CoV-2抗体を合計60日または90日で作製したと報告している。

技術の出自:鳥取大学大学院医学系研究科・染色体工学研究センターの染色体工学分野。関連プロジェクトとして、染色体工学技術を用いたヒト抗体産生ラットの作製。 出典1 出典2 出典3 出典4

使われる場面

  • 完全ヒト抗体の取得・抗体医薬品開発
  • 難標的に対する抗体探索
  • 薬物の脳内移行性・薬物動態・薬物間相互作用の評価
  • 薬物代謝・肝毒性研究、スクリーニング
  • ダウン症・筋ジストロフィーなど遺伝性疾患の研究・薬効評価
  • 染色体解析、細胞・遺伝子研究

優位性の主張

会社の主張
完全長のヒト抗体遺伝子を導入し、内在性の抗体遺伝子をノックアウトしているため、通常のハイブリドーマ法を利用できると説明している。 出典
会社の主張
人工染色体ベクターは宿主染色体に挿入されず、Mbサイズの遺伝子や複数遺伝子を搭載でき、動物では親から子へ伝達されると説明している。 出典
大学の発表
鳥取大学は、TC-mAbマウスと迅速免疫法、抗体取得技術を組み合わせたプラットフォームで、SARS-CoV-2の武漢株とオミクロンBA.5株を中和する抗体を60日または90日で作製したと報告している。 出典
会社の主張
同社は、hu-ADME動物について調節領域を含めてヒト薬物動態関連遺伝子を導入し、時期・組織に応じた発現や交配繁殖が可能と説明している。 出典

製品・サービス

販売中
TC-mAbマウス

人工染色体ベクターでヒト抗体遺伝子を導入した完全ヒト抗体産生マウス。抗体取得や抗体開発受託に使う。 出典

製薬企業、抗体医薬開発企業、大学・研究機関
販売中
TC-huMDR1マウス

ヒト型P-gpを発現させ、薬物の脳内移行や薬物相互作用の評価に用いるマウス。 出典

製薬企業、大学・研究機関
試験導入
hu-ADMEモデル動物ライン

ヒトの薬物動態関連遺伝子を導入し、ヒト特異的な薬物動態の予測や相互作用の解析に用いる動物。 出典

製薬企業、大学・研究機関
段階不明
TC-HepG2

人工染色体でCYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4とPORを導入した薬物代謝研究用細胞。 出典

製薬企業、大学・研究機関
研究段階
ダウン症モデルラット

ヒト21番染色体または関連領域を導入した遺伝性疾患モデル。表現型解析や薬効評価を想定する。 出典

製薬企業、大学・研究機関
研究段階
デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルマウス

ヒトのジストロフィン遺伝子全長を持ち、治療薬の薬効評価を想定するモデルマウス。 出典

製薬企業、大学・研究機関

これまでの歩み 新しい順

2024-06
提携
株式会社医学生物学研究所:同社のTC-mAbマウスを用いた抗体開発受託サービスを利用可能と公表。 出典
2023-10
助成
日本医療研究開発機構(AMED)「令和5年度 革新的先端研究開発支援事業(LEAP)「デザイン染色体による免疫系ヒト化動物の創成と創薬応用」への参画」 出典
2023-10
提携
国立研究開発法人日本医療研究開発機構:「デザイン染色体による免疫系ヒト化動物の創成と創薬応用」課題への参画を会社が公表。 出典
2023-08
海外特許
米国:ダウン症モデルラット及びその作製法について、米国特許商標庁から特許査定を受けたと公式サイトで告知。 出典
2020-03
海外提携
米国:Precision AntibodyとCOVID-19治療用完全ヒト型モノクローナル抗体の共同研究契約を締結。 出典
2018-07
資金調達
金額は非公表。とっとりキャピタル株式会社 出典
2018-06
海外提携
米国:NIH/NIAMSと完全ヒト抗体産生マウスをワクチン研究用に提供する契約を締結。 出典
2018-06
海外出展
米国:ボストン開催のBIO International Conventionに出展し、パートナリングに参加。 出典
残りの3件を表示
2018-06
共同開発
タカラバイオ株式会社:再生医療等製品の染色体解析法の標準プロトコール作成に関する技術提携。 出典
2017-02
資金調達
1.5億円。株式会社カイオム・バイオサイエンス 出典
2016-09
資金調達
金額は非公表。とっとりキャピタル株式会社 出典

提携先・顧客

提携
株式会社医学生物学研究所 同社のTC-mAbマウスを用いた抗体開発受託サービスを利用可能と公表。 出典
共同開発
国立大学法人鳥取大学 染色体工学、完全ヒト抗体産生動物、疾患モデルなどを共同研究。 出典
共同開発
タカラバイオ株式会社 再生医療等製品の染色体解析法の標準プロトコール作成に関する技術提携。 出典
提携
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 「デザイン染色体による免疫系ヒト化動物の創成と創薬応用」課題への参画を会社が公表。 出典

特許

5 件 出典
Google Patentsおよび特許集約ページを社名・英語名で検索し、事業に関連する代表的な5件を確認。調査範囲内の確認数であり、全件数ではない。
主な分野人工染色体ベクター、完全ヒト抗体産生動物、疾患モデル動物、外来染色体導入細胞、人工染色体によるタンパク質生産
海外出願True
JP7011228B2/JPWO2018062392A1「ダウン症モデルラット及びその作製方法」 株式会社Trans Chromosomics / 日本登録済み(Google Patents表示はActive) 出典
US11825817B2「Down syndrome model rat and method for producing same」 Trans Chromosomics, Inc.; National University Corporation Tottori University / 米国登録済み 出典
JP7079946B2/JPWO2020075822A1「外来染色体を含むヒト人工多能性幹細胞の製造方法」 株式会社Trans Chromosomics / 日本登録済み(Google Patents表示はActive) 出典
US12428652B2「Mouse artificial chromosome vector and use thereof」 Trans Chromosomics, Inc.; National University Corporation Tottori University / 米国登録済み 出典
JP7202573B2/JPWO2019088257A1「哺乳類人工染色体ベクターを利用するタンパク質の高生産方法」 株式会社Trans Chromosomics / 日本登録済み 出典

会社の規模

従業員18名(2024-04-01時点) 出典
資本金1億円(2024-04-01時点) 出典
大学との関係研究成果ベンチャー
公式サイトtrans-chromo.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2017-11-30—2,444万円2.04億円3.2億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

大学の認定
鳥取大学 鳥取大学発ベンチャーとして認定。認定一覧に設立日と認定日を掲載。 出典
共同研究
鳥取大学 染色体工学技術を基盤に鳥取大学と共同研究を実施。共同研究成果発表会を共催。 出典

出資者(公開情報で確認できた3社)

株式会社カイオム・バイオサイエンス株式会社TNPパートナーズとっとりキャピタル株式会社
事業会社(CVCを含む) 1独立系VC 1銀行・金融機関系 1

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:23件
法人番号:4270001006585
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