細胞のエネルギー消費を抑え、網膜細胞を守る薬を開発する

京都大学発の低分子化合物KUS121を中心とする創薬技術。VCPのATPase活性を抑え、細胞内ATPの枯渇と網膜細胞の細胞死を抑える薬剤を開発する。

株式会社京都創薬研究所 大阪府 茨木市 / 2015年設立
研究発の技術 創薬 低分子化合物 VCP ATPase阻害 細胞保護 神経保護 眼科
実用化の段階
研究実証販売
KUS121はCRAOを対象に米国第Ⅱ相ランダム化比較試験を実施し、結果を学会発表したが、販売承認・販売開始は確認できない。
1製品
2提携・顧客
6特許
6出資者

しくみ

解こうとしている課題

網膜中心動脈閉塞症など、視力を急激に損なう眼疾患には、有効性が確立した標準治療がないと会社は説明している。眼圧低下を中心とする既存治療だけでは対応できない細胞障害への治療を目指す。

どう動くか

KUS121は、細胞内でATPを消費するタンパク質VCPのATPase活性を阻害する。会社は、これにより細胞内ATPの枯渇や小胞体ストレスを抑え、虚血などのストレス下にある網膜細胞を保護することを目指している。網膜中心動脈閉塞症を対象とする硝子体内注射剤が開発され、米国第Ⅱ相試験が実施された。

できるようになること

治療法の確立していない網膜中心動脈閉塞症で視機能を保つ治療が実用化されれば、急性の視力障害に対する選択肢になり得る。会社は網膜色素変性症や緑内障などへの応用も掲げているが、適応拡大の効果は未確立。

技術の出自:京都大学大学院生命科学研究科の生命科学・細胞生物学分野、大学院医学研究科の眼科学分野、医学部附属病院臨床研究総合センターの臨床研究。公表資料に特定の研究プロジェクト名は確認できず。 出典1 出典2 出典3 出典4 出典5

使われる場面

  • 網膜中心動脈閉塞症(CRAO)
  • 網膜動脈閉塞症(RAO)
  • 網膜色素変性症
  • 緑内障
  • 加齢黄斑変性症
  • その他の網膜疾患・細胞変性疾患への応用を研究

優位性の主張

会社の主張
KUS剤はVCPのATP消費を抑え、細胞の変性・死滅を予防・抑制する新規の薬理作用を持つと会社が説明。動物実験では網膜神経節細胞・視神経線維への保護作用と緑内障進行抑制効果を確認したとしている。 出典
会社の主張
KUS121は網膜細胞のATP枯渇を抑え、小胞体ストレスを軽減して細胞死を防ぐことが期待されると会社が説明。臨床的な有効性は第Ⅱ相試験などで検証中。 出典
第三者の評価
第Ⅱ相試験の第三者による学会報告の紹介では、主要な視力改善指標に群間の統計学的有意差はなく、安全性上の懸念は認められなかったと報じられた。小規模試験のため、効果の確定には追加検証が必要との評価。 出典

製品・サービス

試験導入
KUS121 Injection

VCPのATPase阻害を狙う低分子化合物KUS121の硝子体内注射剤。網膜中心動脈閉塞症を対象に開発。 出典

網膜中心動脈閉塞症患者、眼科医療機関(承認後の想定)

これまでの歩み 新しい順

2026-08
海外拠点
オーストラリア:臨床開発体制の強化と研究開発活動の推進を目的に、100%子会社 KDDD.AUS Pty Ltd を設立。 出典
2025-11
規制・認証
日本の希少疾病用医薬品指定(CRAO、指定番号R7薬第738号)(厚生労働省指定。製造販売承認は未確認。) 出典
2025-09
海外提携
米国:ハーバード大学医学部附属 Massachusetts Eye and Ear Infirmary と、KUS121の網膜中心動脈閉塞症に関する外部対照データ構築を目的とする共同研究契約を締結。 出典
2025-09
共同開発
Massachusetts Eye and Ear Infirmary:CRAOを対象とするKUS121臨床研究の外部対照データ構築に向け共同研究契約。 出典
2025-05
規制・認証
米国FDAのファストトラック指定(RAO)(指定取得。審査迅速化制度の対象であり、承認ではない。) 出典
2023-11
規制・認証
米国FDAのINDクリアランスおよびCRAO第Ⅱ相試験開始許可(米国で治験開始が可能となり、第Ⅱ相試験を実施。) 出典
2023-04
助成
2023-04
助成
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「令和5年度 創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業(プレオーファン)「網膜中心動脈閉塞症に対する画期的治療薬の開発(KUS121 Injection)」」 出典
残りの5件を表示
2022-05
海外
米国:KUS121の網膜中心動脈閉塞症を対象とした米国臨床試験を進め、FDAから希少疾病用医薬品指定を取得したと発表。 出典
2022-05
規制・認証
米国FDAの希少疾病用医薬品指定(RAO)(指定取得。販売承認ではない。) 出典
2018-02
資金調達
1.43億円。京都大学イノベーションキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社 出典
2016-05
資金調達
3.8億円。京都大学イノベーションキャピタル株式会社、みやこキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社 出典
2016-03
共同開発
国立大学法人京都大学:KUS剤の大学発研究と特許実施権許諾契約。会社は同大の研究成果をもとに創薬開発。 出典

提携先・顧客

共同開発
国立大学法人京都大学 KUS剤の大学発研究と特許実施権許諾契約。会社は同大の研究成果をもとに創薬開発。 出典
共同開発
Massachusetts Eye and Ear Infirmary CRAOを対象とするKUS121臨床研究の外部対照データ構築に向け共同研究契約。 出典

特許

6 件 出典
Google Patents、J-GLOBAL、AMED・大学公開資料で確認できた関連する出願・特許レコード6件。単純な公報数ではなく、同一国際出願の各国移行は可能な範囲で同じレコードにまとめた。網羅件数ではない。
主な分野VCP調節用ナフタレン誘導体・KUS化合物、眼科疾患向け硝子体内注射製剤、KUS121の結晶形・製造、軟骨保護用医薬組成物、生体外組織の保護
共同出願人ダイトーケミックス株式会社、国立大学法人京都大学
海外出願True
WO2012014994A1「ナフタレン誘導体」/関連する各国出願 Daito Chemix Corp; Kyoto University NUC / PCT公報は失効表示。各国移行出願に登録例あり。Google Patentsの記録では2025年に一部権利移転が記載されている。 出典
WO2024117070A1「ナフタレン誘導体の眼科疾患用治療薬」/JP2024561470・EP23897718.5・CN202380074251.1等 Kyoto Drug Discovery & Development Co Ltd; Kyoto University NUC / WO公報公開。欧州出願は審査中表示。日本ほか各国移行出願あり。 出典
JP7785402B2「ナフタレン誘導体の結晶」 KYOTO DRUG DISCOVERY & DEVELOPMENT CO., LTD. / 登録・有効表示。 出典
US20220401461A1/EP4049724A1「軟骨保護用の医薬組成物」 Kyoto Drug Discovery & Development Co Ltd; Kyoto University NUC / 米国出願は審査中表示。欧州対応出願は取下げ表示。 出典
JP2026032131A「ナフタレン誘導体の結晶」 株式会社京都創薬研究所 / 公開公報。登録状況は確認できず。 出典
US20260242338A1「Crystals of naphthalene derivative」 KYOTO DRUG DISCOVERY & DEV CO LTD / 公開・審査中表示。

会社の規模

従業員7名(2017-12-01時点)
資本金6,960万円(2022-04-30時点) 出典
公式サイトkyoto-drug.com
決算期売上高純利益純資産総資産
2026-04-30—-1.24億円—2.02億円 出典
2025-04-30—-9.9億円—4.2億円 出典
2024-04-30—-3.58億円—7.33億円 出典

決算公告など、公表された数字だけ。

大学との関係

ライセンス
京都大学 京都大学と特許実施権許諾契約を締結。 出典
大学の施設
京都大学 会社沿革に、京都大学構内への本社移転およびラボ新設を記載。現時点の入居状況は確認できず。 出典

出資者(公開情報で確認できた6社)

事業会社(CVCを含む) 1銀行・金融機関系 3大学系(大学VC・大学) 2

会社や出資者の発表から確認した。出資者の種類は、AIが社名から付けたもの。個人の株主は載せていない。*は、出典のページで社名を機械的に照合できなかったもの。

調査日:2026-10-03
このページの出典:25件
法人番号:1130001055285
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